キーリ - 著者: 壁井ユカコ

著者: 壁井ユカコ
イラストレータ: 田上俊介
レーベル: 電撃文庫

紹介

イースタベリにある教会の寄宿学校に通うキーリは、見えないものが見える、身寄りのない14歳の少女。霊体の少女・ベッカをルームメイトに、沈んだ暮らしを続けていた。そんなキーリは、ある日イースタベリの駅前で、赤錆び色の髮をした、ハーヴェイと名乗る青年と出会う。最初神学生かと思われたハーヴェイは、実は教会から追われる“不死人”で、ラジオに憑依した“兵長”をイースタベリ東の廃坑へ連れていく旅路の途中だという。
植民祭休暇を利用して、キーリはハーヴェイと兵長の旅路に無理矢理同行することにした。まだ見ぬ世界へ、連れていってもらおうとして。
そしてキーリは、イースタベリを後にした。

老いもしなければ死にもしない、兵器として作られた“不死人”ハーヴェイと、そのハーヴェイにかつて殺され、ラジオに憑依してしまっている兵長、そして霊が見えるだけで普通の少女だったキーリが、行く先々で人や死人と出会い、交わり、時に争い、そしてまた旅に流れる漂泊譚です。
物語の始まりで14歳だったキーリは17歳になり、その大人びた眼差しはハーヴェイを困惑させます。死なない(とっくに死んでいる)ハーヴェイと、生きて成長して、そして老いて死んでいくキーリ。必ずやってくる別れに彼らは苦悩しますが、物語は徐々にその構図を変えてゆきます。
旅と成長と近づく終焉。物語は登場人物たちの成長を糧に、着々と終わりへと進んでいきます。

全9巻、完結です。

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