著者: 壁井ユカコ
イラストレータ: テクノサマタ
レーベル: 電撃文庫
“ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”通称〈鳥籠荘〉は市街の外れにある、奇人変人の巣窟。猫の着ぐるみをいつも着ている父とゴスロリの娘。何かがおかしい双子の老人。神出鬼没の掃除夫。成長障害の郵便配達人。
そこに一人暮らしをする衛藤キズナは、美大生浅井有生のモデルをしてる女子高生。ゆるゆると流れる時間のなか、変人達との交流と共に、キズナのギスギスした世界も緩やかに変わっていくのだった。
電撃文庫の風合いからは少し外れている気もしますが、ホテル・ウィリアムズチャイルドバードのおかしな連中をキズナを軸に描いていく、短編連作。見た目はかなりアレな住人達ですが、それなりに心と体に傷を負っていて、緩やかな〈鳥籠荘〉の日々がそれをまったりと癒していきます。
果たしてキズナは有生を振り向かせることができるのでしょうか。