著者: 桜庭一樹
装画: 天羽間ソラノ
レーベル: 新潮社
東京山の手に広大な敷地を持つ一貫女子校・聖マリアナ女学園は戦前からの伝統を誇る女学園。上流階級の子女の集う聖マリアナには(外部から見れば)奇妙な慣行が息づいており、派閥争いもまた苛烈だった。
しかし集団があれば変わり者もいるのが道理。聖マリアンナ女学園には「読書クラブ」という変人の巣窟があった。変人達は目立たぬよう息を潜め、外の世界に無関心を裝い、しかし時に学園を搖るがす大事件の当事者となって、その真実を代々の部誌に書き残してきたのだった。
最初の話は高度経済成長期、1969年から……。
桜庭一樹らしい「少女」達が、世代交代し、その性質を変えながら、それでいて不変な部分を持って聖マリアナを跳梁します。そして聖マリアナに起きた事件の目撃者となり、物言わぬ語り部となり、秘密のノートを受け渡す。黄昏から日の出へバトンタッチされ、学園は常に少女達の園だった。