著者: 桜庭一樹
レーベル: 東京創元社
昭和の香り漂う山陰鳥取の町に君臨する赤朽葉家。その家の女三代(万葉、毛鞠、瞳子)の伝記を軸に展開される、奇妙で不思議な年代記。そして時は平成へと流れ、“千里眼の奥様”万葉の最期の言葉を巡り、孫の瞳子が謎解きに挑む。
ライトノベルではなく、一応推理小説の範疇に入るのかもしれませんが、むしろ純文学に近い。“辺境の人”に捨てられ、未来を見通せる千里眼を持つと言われた万葉の奇妙な人生。その娘で山陰に轟くレディースの頭から何故か少女漫画家になってしまった毛鞠、そして何者でもない平凡な瞳子の女三代記。
第60回 日本推理小説作家協会賞受賞作