著者: 吉岡平
イラストレータ: 壱河きづく
レーベル: ファミ通文庫
ある日、高校生・土方建作がアパートで寝転んでいるところを銃を抱えたチャイナ服の少女が通過、後には一枚のカードが残された。中国武将が描かれたそのカードは
些細なことから神牌を手にすることになった建作は、神牌を落としていった金香や他の仲間たちと共に、神牌を巡る戦いの渦に身を投じることに―!
カードバトルが流行るとみるや、すかさずこういう作品を投入する吉岡平のフットワークは凄いと感心するのだが、じゃあ肝心の中身はどうなんだよと言われると首を傾げざるを得ない。良く言って凡百、悪く言えば借り物ネタのモザイク。しかもネタが借り物であることすら作品内でネタにし、その開き直り方も堂に入ったもの。
吉岡平が好き、という読者層以外に読まれることを最早前提としていないのではないか、と不安を覚える一作。