著者: 榊一郎
イラストレータ: 藤田香
レーベル: HJ文庫
平凡をこよなく愛し、旨とする南部匡平(17)だったが、不幸にも父親は世界を股に掛ける国際(闇)商人。自宅兼倉庫にはうずたかく正体不明の文物が積み上がり、その隅で生活する日々。そんな匡平がある日荷物の雪崩の中から見つけ出したのは、人間の入った棺桶。中から出てきたのはベルグマン王国の第一王女パミル……の自称身代わりアンドロイドだった。
そんな感じで始まる榊一郎お得意のドタバタ王女コメディ。ビームを放ったりする王女様(偽物)や目立つことに命を懸ける友人、匡平に想いを寄せる呪い少女、そして極めつけの父親などなど、常識人であろうとする匡平を、周囲が引っ掻き回して最期には世はこともなし。
雑誌連載作品なので、通読した時のまとまりには少々欠けますが、とりあえずさらっと読める短編集です。