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星の大地 - 著者: 冴木忍

著者: 冴木忍
イラストレータ: 飯田晴子
レーベル: 角川スニーカー文庫

紹介

大陸を二分する国家、レーンドラとユハリシュ。そのレーンドラの巫女姫、予見の力を持つサウラが突如自ら命を絶った。付き人だったアゼルは報せを聞いて茫然とするが、さらに驚くべきことに、レーンドラの秘術により、サウラは生き返ったというのだ。しかし生き返ったサウラは清楚可憐だったかつてのサウラではなく、伝法で態度の悪い生意気娘になっていた……。
復活と同時に予見の力を失ったサウラはアゼルと共に城を出奔、道行きで音痴な吟遊詩人・マリクや、盗賊の少年シャザルなどと一緒になって放浪するうち、戦乱の続く大陸の危機を察知する。
大陸の崩壊という大災害を前に、知恵と行動力の全てを振り絞った戦いを始める――。

〈卵王子〉カイルロッドの苦難」と並ぶ冴木忍初期傑作作品。この作品の凄まじいところは、悪役ですら悪役ではなく、最悪の結末を招くのが民衆の愚行によるものだ、という点でしょうか。当初悪役と思われていた人物の方が、実は主人公たちよりも余程真実に近いところで、より現実的に人々を救おうとしていたという事実、そしてその計画を主人公たちが粉砕してしまい、正義感や義侠心、善意といった正の感情が状況をどんどん悪くしていきます。そして最後の最後は「なんて人間は愚かなんだ……」と呟きたくなるような幕切れ。
はっきり言って人間不信になりそうな作品です。
それ故にこの作品は傑作であると、断言したいと思います。

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