著者: 冴木忍
イラストレータ: 弘司
レーベル: 角川スニーカー文庫
前作から8年。未だ独身のフィンレック王家のディスクリート王子(25歳独身)は、兄王によってユード連邦からの留学生・アルガーを送る仕事を言い付けられる。アルガーはユード連邦の州の一つ、コデモ州州王の息子で、何やら不穏な連中に命を狙われているらしい。
襲撃が予想される道行きなのに、なぜか途中でディスクリートの姪のセラフィン(5歳)が合流。暗くなりがちな一行に子供らしい明るい光を当てるものの、混乱は増すばかり。
果たしてアルガーに秘められた謎とは、そしてコデモで一行を待受けるものは――?
「風の歌 星の道」ネクストジェネレーション(笑)。主人公は前作主人公たちの娘・セラフィン。母親似のセラフィンにディスクリート叔父さんメロメロ、ついでに父親ソードも親馬鹿全開。
しかし3巻までの筋書きは厳しい話で、とくにアルガーのへたれさが巻を増す毎にじわじわと旅行きを悪化させていきます。3巻末がちょっと最後が駆け足気味なのは残念なところです。
4巻以降は3巻までの流れを断切っての一巻完結の話で、登場人物たちがそれぞれの幸せを摑むために奮鬪努力します。いつも中心にはセラがいる、物語の登場人物たちのこれからの幸せを祈りたいものです。