著者: 榊一郎
イラストレータ: 狐印
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
年上の幼馴染への失恋の痛手から登校拒否に陥っていた長井優樹は、久しぶりの通学路で、見知らぬ木造校舎を目撃する。興味半分、逃避半分で校舎に近付いた優樹は、不思議な白い世界に閉じ込められてしまう。
ここは私立鈴乃宮学園――戦前に作られ、空襲で学生ごと焼け落ちた、今は存在しない学校の、その無念によって生まれたもう一つの鈴乃宮学園だった。
校舎の人格体である詩月。仔狐の変化した紅葉。空襲で死んだ女学生の魂を切り貼りして生まれた春香、夏輝、秋菜、冬美。校医の幽霊、本町小竹乃。優樹は鈴乃宮学園の無念を晴らして元の世界に戻るために、彼女達とともに「学校生活」を送ることになるのだった――。
アクションやSFものなど、「敵」のいる作品が多かった榊一郎の新シリーズは、幽霊学園での学園もの。幽霊ばかりで生身の女の子が少ないですが、2巻からはアンドロイドのネレイド、月刊ドラゴンマガジンの連載で登場したアグニエシカも3巻から参戦、かしましさ鰻登り状態。連載ではさらにもう一人増えてるし。
心に傷を持つがゆえに集まってきた登場人物たちが、一体どのようにして自分と向き合い、そしてこの地を去っていくのか、今から興味が尽きません。
全5巻、完結。