著者: 秋山完
イラストレータ: 弘司
レーベル: ソノラマ文庫
ハルシオンに包まれた惑星ラストリーフで、羊飼いのアイル・フィトクロムは帝星からやってきたフェン・スウディを救助したが、病院を嫌がる彼女はいつの間にかアイルの客人に。共に暮らすうちに心を交わす二人。穏やかなラストリーフの香りに包まれて、幸せな時間はずっと続くと思っていたが、帝星からやってきた総督による気候改造プランが暗雲を投げかける。
牧歌的だったラストリーフの社会が、徐々にギスギスしたものに変わっていく。疑心暗鬼が広がって、ハルシオンは枯れようとしていた……。
秋山完作品の原点ともいえる、リリカルSFファンタジー。続く多くの秋山作品に登場する「ハルシオン」が登場した巻でもある。人を信じることしか知らないようなお人好しが集まっていた惑星ラストリーフが徐々に変わっていき、そしてそれを救うのが、実は帝星では人を信じることができなかったフェン。アイルとフェンの愛情を軸に、ラストリーフの伝説が紡がれます。