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ペリペティアの福音 - 著者: 秋山完

著者: 秋山完
イラストレータ: 結賀さとる
レーベル: ソノラマ文庫

紹介

星間回廊辺境にある、惑星ペリペティア。土俗宗教SPFの聖地でありゴミ捨て惑星でしかなかったこの星から、千年前に銀河を統一し、“偉大なる共生(マニフィカ・コムニタ)”時代を築いたフォークト大帝の墳墓が発見されたという大ニュースが飛び込んだ。
フォークト大帝の葬儀を請け負った葬祭会社ヨミ・クーリエ社。その若き葬祭司補ティック・タック・フィトクロムは突然大司教代理に任命されて、惑星ペリペティアへ送り込まれる。
そこはフォークト大帝の遺産を巡って権謀術数入り乱れる策謀の土地になっていた。突然大司教に祭り上げられたティックはトホホと嘆きつつ、助手のキャルらと共に渦の中心となっていく。

かつて銀河を平和裡に統一したただ一人の人物・フォークトの遺産を巡って、回廊星域の国々の艦隊がペリペティアに集結、一触即発の情況が作り出される。問題のペリペティアは各王国の支配層によって忌嫌われる土着宗教SPFの聖地で、奇妙な原住民ラグピック族が住んでいて、かつ物理常識が通用しない謎の星。そこは生が蘇り、死が死すべき約束の場所。
ペリペティアを中心に張り巡らされる〈連邦〉大統領息女ジルーネ・ワイバーの巧妙な策謀を前に、トホホ大司教ティックは、大帝の後継者とされるファンランに振り回される……。そして、〈連邦〉の最大の敵国トランクィル廃帝政体は、回廊49ヶ国が統一されることを恐れ、先制攻撃による奇襲を目論む。
途中で作者が心変わりしたりしたんじゃないかとか思わなくもない下巻の厚さが圧巻です。

ちょい役で出てくるフロプトは、後に光響祭(「天象儀の星」收録)でジルーネと関り、さらに後の「吹け、南の風」でも主要な人物として登場します。大活躍のフレンもまた、「吹け、南の風」に再登場します。暗躍するジルーネも……。

余談ながら、ティックの姓であるフィトクロムは「ラストリーフの伝説」の主人公のものと同じ。〈パトラッシュ〉艦長のアロア・ジェハンのイヤリングには「リバティ・ランドの鐘」のロイ・ニムロッドの名前が。

秋山宇宙大戦争期、幕開けの一冊です。

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