著者: 秋山完
イラストレータ: 槻城ゆう子
レーベル: ソノラマ文庫
火星を流浪して暮らす“太陽族”の少年カズマ・ケイマフリは、遭難した母船〈チキサニ〉から水素を探して飛び立った後、敵に襲われ墜落する。そこはノクティス・ラビリンタス。魔女の住む夜の迷宮だった。
敵兵に酸素を奪われ、死を待つばかりだったカズマは、夜の迷宮の伝説の魔女に命を救われる。そしてそこで、火星の伝説を目撃することになる――。
秋山宇宙史においてあちこちで重要な鍵を握るハルシオンやヴィシュニアといった植物達の、生誕物語という位置付けになる作品。それ故に単体としての物語の面白さには今一つという気もするが、秋山作品に通底するテーマの一つを描いているのは間違いない。