著者: 樹川さとみ
イラストレータ: うたの
レーベル: コバルト文庫
動物学者のジョージ・マシュー博士が死に際して、引き取っていた孤児のリーを托したのは、旧知の友・アレクサンダー・アルバート博士……だったのだが、本人は行方不明、連絡を受けたのは孫のアレクサンダー・アンドリュー・アルバート博士(16歳)だった。
動物に育てられたというリーと、人間嫌いでぶっきらぼうなアレックスとの、奇妙な奇妙な同居生活は、こうして幕を開けたのでした。
読み始めてすぐに「マイ・フェア・レディ」モノだと思ったのですが、ただ博士による少女の調教にならないのが樹川さとみ流。観察していたはずのアレックスが実はリーに観察されていて、むしろいいようにあしらわれているうちにペースを崩してしまう有り様。
心から信じられる人を喪った少女と、誰ももう信じられない少年が、不器用に触れ合って理解を深めていくのですが、残念、最後まで色恋までは発展しませんでした。
全三巻、完結。