著者: 浅井ラボ
イラストレータ: 宮城
魔法を操る咒式師――それも超一流の――であるギギナとガユスは、しかし性格は超絶的に破綻していて、いつも毒舌を投げ合う微妙な仲。地方都市エリダナに事務所を構える二人だが、主にギギナの無経済概念により事務所はいつも火の車。今日も今日とて役所の下請け仕事で800歳級の竜と鬪う羽目になる。なんとかかんとかそれを下した二人だったが、エリダナに戻ったあと、二人を執拗に付け狙う影が見え隠れし始める。
人知によりながら常人を超えた力を持つ二人と、人知を超えた人ならぬ力を持つ存在との激突を描く。
主人公たちの悪口雑言に耐えられるかどうかが、まず最初の踏み絵。その上で、物語の救いようのなさに耐えていかねばならないシリーズ。主人公二人は超絶的な力を持っているにも拘らず、全く不如意不自由で、様々なしがらみに絡み取られ、二進も三進もいかない。騙されていると分かっていても、ハメられていると分かっていても、真正面へ突き進むしかなく、悲劇の終幕が分かっていてもそこに突っ込んでいかざるを得ない。
鬪っても鬪っても悲しみしか生まれない、どこまで言っても救いようのない物語の果てにあるものは何なのか……。
2008年、ガガガ文庫へ移籍。
レーベル: 角川スニーカー文庫
レーベル: ガガガ文庫