著者: 杉井光
イラストレータ: 植田亮
レーベル: 電撃文庫
音楽評論家の息子・桧川ナオは、《心からの願いの百貨店》と呼ぶ廃棄物置き場で、天才ピアニスト蛯沢真冬と出会う。
本当なら二度と出会うことのない筈だった二人は新学期早々に真冬の転校という形で再会。しかしヤマアラシのように突っ慳貪な真冬に、ナオは反撥を強め、とうとう二人は犬猿の仲に。
真冬に奪われた安息の地を奪還すべく、革命家を名乗る神楽坂響子先輩に操られ、ナオは真冬に勝負を挑むのだった。
丁寧に張り巡らされた伏線を、しっかりした描写に裏付けされた巧みなストーリーテリングで結び合わせ、合奏の如く練り上げた上で、決して一方的なハッピーエンドには終わらせない、七転八倒青春ストーリーです。文庫ではなくて、ハードカバーでも良いくらい。
ずばり良作です。
作者のBlogにて、作中に登場する曲の解説を載せています。