伊々田に古くから君臨する女系一族・朽葉嶺家。次代の婿として朽葉嶺家に暮らす朽葉嶺マヒルは、四姉妹のうちから一人を選ぶ継嗣会(ひさねえ)を間近に控え、四姉妹とその母との最後の日常を送っていた。
その儀式を間近に控えた伊々田市に巻き起こる奇妙な連続殺人。時を同じくして現れた、余所者の少女・イタカ。
不思議な少女と連続殺人。物語は旧家の仕来りを呑み込んで、悲劇へとひた走る。
ある意味、杉井光らしいアンハッピーエンド直行便の作品。コメディとは一風違った、デビュー作の作風を思い出させます。
全ての糸は破滅へと紡がれていき、そして決して幸せではないながらも、僅かな救いを垣間見せて物語は終わります。