著者: 乙一
イラストレータ: 羽住都
レーベル: 角川スニーカー文庫
未来が見えるという転校生・古寺直樹に「おまえたち二人、どちらかが死ななければ、いつか結婚するぜ」と予言されたのは小学生の時。そのときから、幼馴染の清水加奈と僕の仲がちょっとぎくしゃくし始める。やがて時が過ぎて、僕らは大人になって、そして清水は病院にいた。
どちらかが死ななければ――。
不吉な予言が木霊して、僕は清水の病室を訪れる。未来への不安を胸に抱えて。
「ザ・スニーカー」誌に掲載された短編に書き下ろしを含めた短編集。上に粗筋を書いたのは「未来予報 あした、晴れればいい。」で、他の作品もそうだが基本的にはアンハッピーエンドが主だが、読後感は悪くないのが不思議。
切なさがあふれる乙一の短編集。
角川文庫『失はれた物語』にいくつか収録されているので、購入の際は気をつけること。