〈卵王子〉カイルロッドの苦難 - 著者: 冴木忍

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著者: [[冴木忍]]&br()
イラストレータ: [[田中久仁彦]]&br()
レーベル: [[富士見ファンタジア文庫]]

*紹介

城塞都市国家ルナンの王子カイルロッドは温厚な性格に趣味が盆栽という「いい人」剥き出しな王子さま。でも「卵から産まれた」と噂されていて、噂が高じて婚約者に逃げられまくる不運な18歳。三人目の婚約者にも逃げられて失意のうちにお忍びで乳兄弟のソルカンの店で飯を食べに行ったら、新人ウェイトレスにスープをぶっ掛けられて変装がバレて店を貸し切りに。酒癖の悪いウェイトレス・ミランシャやソルカンを相手に愚痴りながら飲んで食って眠った翌朝、ルナンは石の街と化していた。&br()
「性格が悪い」ことで有名な魔道士ムルトの魔法によって全ての住民が石に変えられてしまったルナンを元に戻すべく、カイルロッドは魔道士見習いのミランシャと、なぜか難を逃れた謎の男・イルダーナフの三人で、あてどもない旅に出るのだった。

日本ライトノベル界に屹立する金字塔的作品。この9作を語らずして日本のハイ・ファンタジーは語れないでしょう。&br()
誰が善で誰が悪か、といった単純な二元論では語れない、誰もがそれぞれの事情を背負い、悪役ですら悪に墮する理由を持ち、善人ですら罪を負い、そして得られぬ贖罪を乞い願います。&br()
複雑に、そして丁寧に張り巡らされた伏線は見事の一言で、6巻、そして9巻の山場では涙なしに読み進めることはできないでしょう。そして一度読んですべての謎を知った後に、もう一度頭から読み直したくなること請け合いです。物語初頭から多くを知る者たちの意味深な会話を再び目にした時、その痛切さに涙を誘われます。&br()
長々と書きましたが、とにかく読んで損なしの一作、是非一読を。

** コメント

[[#rcomment]]

*既刊

-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❶ 旅立ちは突然に,ISBN4-8291-2447-4) <1992/07/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❷ 出会いは嵐の予感,ISBN4-8291-2469-5) <1992/11/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❸ 愁いは花園の中に,ISBN4-8291-2492-X) <1993/04/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❹ 面影は幻の彼方,ISBN4-8291-2504-7) <1993/07/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❺ 野望は暗闇の奥で,ISBN4-8291-2522-5) <1993/10/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❻ 悲しみには黄昏とともに,ISBN4-8291-2539-X) <1994/01/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❼ 微笑みはかろやかに,ISBN4-8291-2561-6) <1994/05/30>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❽ やさしさは風の調べ,ISBN4-8291-2586-1) <1994/10/25>
-&amazon(〈卵王子〉カイルロッドの苦難❾ 思い出はいつまでも,ISBN4-8291-2606-X) <1995/02/25>

*関連項目

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