SAKURA-ment - 著者: 和井契

著者: 和井契
イラストレータ: さがのあおい
レーベル: 富士見ファンタジア文庫

紹介

高校生の瀬川雅人は、二学期最後の日に叔母である牧田迪子に、彼女が作り出したホムンクルスの少女を押し付けられる。サクラと名付けられた少女は雅人に懐いてしまうのだが、従妹の乃木美咲・美幸はそれがちょっと気に入らない。
ドタバタの夏休みが幕を開けて、サクラは異常な速度で成長していく。
しかしその一報で、雅人は失われた自分の記憶が刺戟されるのを感じ始めていた。これまで、誰一人として身近に近寄らせず、一線を隔して接してきた雅人の、「失うことに対する恐怖」の記憶が頭をもたげ始める。

終わりある日々の切なさ・儚さを描いた作品で、愛別離苦物語です。そういう点で小細工拔きの直球勝負ではあるのですが、不幸なことに主人公の内面(過去)など、描ききれていないところがあります。同じようなテーマを扱った作品ならば、笹本祐一の「小娘オーバードライブ」第四話「美夜の肖像」には遠く及ばない、というのが正直な評価です。
しかしこれはあくまでデビュー作ですので、今後の成長に期待としておきます。

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