石のハートのアクトレス - 著者: 葛西伸哉

著者: 葛西伸哉
イラストレータ: 渡瀬希美
レーベル: サークル文庫, ノアールノベルズ

紹介

東北の北の方にある白妙学園女子高校の演劇部に属する桔梗野聡美には〈天才科学者〉のオバさんがいて、なんとある夏、見た目は全く区別ができない人型ロボットを作り上げてしまった。見た目は人間でも、動作や言動がイマイチなことに問題意識を持った〈天才科学者〉寒沢うらら博士は、試作一号機「一子」をこともあろうか聡美のいる演劇部に送り込む。
最初は「人間のマネ」の域を出なかった一子の挙動が、演劇を通しての学習によって徐々に人に近付いていくと同時に、部員達との間にもそれなりの関係が築かれていく。地区の演劇大会が近付くなか、一子も役者として舞台に上がることになり、部は盛り上がっていく一方で、過去に傷を負った聡美の心にも一子との触れ合いで変化が生まれる……。

葛西伸哉の初期傑作といっても過言ではない作品。サークル文庫、ノアールノベルといったマイナーレーベルから出版されたために、脚光を浴びることなく絶版となってしまったが、できれば再刊・続編を期待したいところ。

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