著者: 御堂彰彦
イラストレータ: タケシマサトシ
レーベル: 電撃文庫
この世界には『アンティーク』と呼ばれるものがある。ただの骨董ではない。不思議な力や、特殊な能力を有した道具類。付喪堂骨董店~FAKE~はそういった『アンティーク』を扱い、表向き偽物骨董ばかりを扱う、あまり流行っていない店。
バイト店員の来栖刻也は舞野咲とともに、店主・摂津都和子の留守を預かり、時折持ち込まれる本物の『アンティーク』が巻き起こす事件に立ち向かう。
全4話の短編連作で『アンティーク』が巻き起こす騒動は人が死ぬものから他愛もないものまで幅広いです。一方そのせいで全体を通した一貫性があまりなく、ダークな作品とライトな作品の間のギャップが些か気になります。『アンティーク』を通じて描きたいものが特にないように見られる、というのでしょうか。似たような設定でも、常に超文明の遺産で破滅していく人を描いた「ザンヤルマの剣士」とはその辺が違うわけですが、その違いが良い方に作用しているかといわれると……。