著者: 西村悠
イラストレータ: 高階@聖人
レーベル: 電撃文庫
円盤上の世界が層をなし、塔を形作っている。サドリは喋るカエルとともに、その塔を降りる旅人。世界は神の代行機械アントロポシュカによって制御され、それぞれ人間の幸せを追究している。しかしその世界の一つ一つはどうしようもなく狂っているのだった。
狂気に満たされた塔を下りながら、サドリは青い空の見えるという、塔の外の世界を目指す。
なんかどっかで見たことがある、狂気の世界を渡る、旅人流浪譚。舞台装置や設定を活かしきれていない感が強い。
短編集という形態もあるんだろうけど、下を目指すサドリの相対的な異常さ、異質さを描ききれていない所に、作品としての弱さを感じる。