著者: 成田良悟
イラストレータ: ヤスダスズヒト
レーベル: 電撃文庫
21世紀池袋。
首なしライダーが走り、正体不明のリーム『ダラーズ』が蠢き、喧嘩屋が闊歩し、趣味の情報屋が糸を引き、闇医者が理屈をこね、マッチョな黒人が寿司を握り、人類最強の男がいたりする、池袋。
喧騒の中ですれ違う彼らが暴走する愛の縦糸・横糸となって、織り成していくのは池袋人外恋愛群像劇!!
作者が、歪んだ愛の物語、と書いているように、確かに登場人物たちは愛を語り合っていたりするわけなのですが、その内容が内容だけに普通の恋愛小説ではなくて、魑魅魍魎跋扈する人外魔境の恋愛群像劇。普通なら笑いとずっこけになるところが血飛沫舞ったりするわけで、しかも互いに相手の正体を知らずになんてこともあり、なかなかスリリングなmissing each otherを見せてくれます。
これだけの登場人物を池袋という狭い地域にぶち込んで破綻なくまとめるところは流石。
あと、電撃の他の作家さんの作品をネタにしちゃってる辺りは、ライトノベル読者としては笑いが止まらないところ。