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デルフィニア戦記 - 著者: 茅田砂胡

紹介

流浪の剣士に身をやつしながらも、国へ戻らんとしたデルフィニア王ウォルの危地を救ったのは、金の髮に緑の瞳を持った、一人の少女だった。自分は別の世界から来て、本来は男だと曰う少女・リィは、見た目を裏切る怪力と剣腕と聡明な頭脳の持ち主で、ウォルの同盟者となって、激しいデルフィニア内戦と、それに続く鬪いのなかでウォルの隣に立ち続ける。
いつしか、戦女神の顕身と言われるようになったリィや、国王の幼馴染で親衛隊長となった山賊イヴン、捻くれまくった騎士団長バルロなどなど、数十人に及ぶ魅力的なキャラクターたちが繰り広げる、一大ファンタジー。

元々は大陸書房から「王女グリンダ」として刊行されるも出版社が倒産、行き場をなくしたところを中公に拾われてヒットとなるという、複雑な経緯を経ているが、内容の良さは折り紙つき。特に登場するキャラクターたちの魅力については語る必要がないくらい。
ライトノベルがキャラクター小説であるというのであれば、これほど見事にキャラクター達を描いているものも他にないだろう。

ただ、本作とは直接関係ないが、この作品が余りにも他の茅田砂胡作品に影響を及ぼしているのが残念。何人かの登場人物はシリーズを跨いで登場している。それだけ魅力的なキャラなのだといえばそうなのだが、この全18巻のシリーズを読まないと分からないキャラが跋扈することになってしまった。

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