ある夏の直前に、悠有が起こした奇妙な事件。学校のマラソン大会で悠有がゴールテープを切らずにゴールインしたという。幼馴染のタクト、饗子、涼にコージンを加えた5人は悠有の自宅・喫茶店「夏への扉」に集まって、悠有の能力を検証することに。
饗子に率いられた一党は、試行錯誤の果てに、数秒間の時空間跳躍を確認する。しかしそれは『あらかじめ失われた未来』への一方通行の夏の始まりでもあった――。
東京に程近い山間の辺里市で始まる、少年少女のタイムトラベル物語。
凄くいい感じで進む少年少女SF浪漫です。山に囲まれた田舎町で超能力少女を中心に回る少年たちのプロジェクトと恋模様。そしてとにかく物語にぶち込まれまくったSF書誌に思わず乾杯したくなります。SF好きな作者がSF好きな読者に贈る、青春SF物語です。NHKの少年ドラマシリーズや宗田理「ぼくらの」シリーズなんかが好きだった人にお薦めかと思います。