著者: 上月雨音
イラストレータ: 東条さかな
レーベル: 富士見ミステリー文庫
一人暮らしの大学生“僕”の家に入り浸っている、幼馴染の少女・支倉志乃ちゃんは、寡黙な小学5年生。その漆黒の瞳は、僕の窺い知れないものを覗いている。世間を騒がす怪奇な事件に、志乃ちゃんは普通じゃない興味を示し、僕の知らない所で何か動きまわっている。僕はそんな彼女が心配で、できれば優しい女の子に育ってほしいと思っている――。
“僕”が大学の先輩に引きずられて関ってしまった“Dead End Complex”を軸に、精神の奥底で“人と違う”志乃が犯罪者の心理の深淵を覗き回る、ちょっとサイコなミステリーです(ミステリではない)。
物語の展開や構成に粗がないわけではないのですが、文章はしっかりしていて読ませる作品になっています。続編を希望したい所です。