著者: 吉田親司
イラストレータ: 3
レーベル: 電撃文庫
人の記憶を操るMM―メモリ・メーカー―〈記憶屋〉摩周母子がある日請け負った海軍大佐の暗殺事件に、予想外の「出前の衝突」が。大佐の援交相手を確保して逃亡する摩周誠人と美冴の周囲では、その日を境に不穏な空気が流れはじめる。
自らを生み出した秘密結社ノイエ・オデッサとの死鬪の幕が上がる。
作者の吉田親司は架空戦記ものをこれまで手掛けていて、ライトノベルは初となる。あちこちに架空戦記の色合いが濃く、そちらの方の荒唐無稽っぷりに慣れていない人には、突拍子もない世界設定に馴染みにくさを感じるかもしれない。各種ガジェットは間違ってもSFではないので、注意が必要だろう。
主人公のマザコンっぷりはともかく、もう少し、自分で自分の記憶と向き合うようになるそのプロセスを丁寧に描いて欲しかった。