著者: 末永外徒
イラストレータ: とりしも
レーベル: ファミ通文庫
倉手村尋常高等小学校として作られた私は、108年目の今年春、旧校舎になった。長い長い歴史の中で、話すことができるようになっていた校舎は、8年前の苦い悔恨を抱きながら、ひっそりと誰にも知られず、いずれ解体される筈だった。
ところがそんな旧校舎に一人の新入生が侵入を企てる。三宅新。
新を中心に、生徒会のリアン、友人の友久、幼馴染の山下夕子らが旧校舎と関ってゆき、そしてコウと名付けられた旧校舎は心を開く――
最初は新を遠ざけようとしていた旧校舎が、徐々に彼に惹かれていき、そして気がついた時には……という、甘酸っぱさ溢れれる王道を踏んでいます。そして旧校舎に迫る取り壊しの危機。立ち上がる新たち!
リアンとコモンのやり取りなどは些か蛇足気味の部分がないでもないですが、全体としてよくできたロー・ファンタジーです。