著者: 花田一三六
大陸の雄、カルディア帝国がその矛先を北方へと向けた。狙われたゼニツア、ルマイラ、ジェラルスタンの三国は過去のいがみ合いを水に流し、対カルディア同盟を結ばんとするも、ルマイラは先年ジェラルスタンに攻め込んで王を討たれたばかり。
迫るカルディアを前に三国同盟締結に奔走するルマイラ王の大叔父ルバートを中心に、三国の密偵が暗躍する大陸ロマン。
花田一三六の大陸シリーズにおいて歴史の転換点を描く一作。後世の史家による記述の形態を取るこのシリーズでは、後の時代が既に描かれている部分もあり、本作では大陸制覇まであと一歩に迫ったカルディアと、後に大陸を制覇するも当時はまだ小国であったジェラルスタンが交錯する。