著者: 青木祐子
イラストレータ: 佐倉汐
レーベル: コバルト文庫
20世紀初めのロンドン。17歳のミルカ・セラヴィーはマクラウド事務所からの斡旋を受けて、資産家であるバクスター家の一人娘キャロライン・バクスターの話し相手(コンパニオン)に。従兄ロイド・ハワードとの結婚を間近に控えたキャロラインは、しかしかつて庭師のアルバート・マーティスと駆け落ちを試みた過去があった。
使用人は全員が入れ替わり、寒々とした屋敷の中で塞ぎ込んでいるキャロラインにミルカは明るく接するが、どうも屋敷では不穏な気配が漂っていて……。
ヴィクトリアン・ローズ・テーラーの青木祐子が放つブリティッシュストーリー。ちょっとだけミステリー仕立てですが、明るくて気さくで頭も回るミルカが複雑に絡まり合った糸を解きほぐして、恋する男女を助けていくお話、じゃないかな、と。
執事のスティーブン・ヘイワースは1巻で退場するのは惜しいキャラですね。いつか再登場を期待したい。