著者: 砂浦俊一
イラストレータ: 高橋慶太郎
レーベル: 集英社スーパーダッシュ文庫
笠井愛美にある日彼氏の若月優からかかった電話は、「さっきさ、涼文堂にいたよな?」。ところが愛美は風呂上がりで、涼文堂どころか家から出てもいなかった。その日を境に、彼氏の優ですら見間違うほどのそっくりさんが、愛美の周囲に出没し始め、そしてとうとう、愛美の目の前に!
あれは死を告げると言われるドッペルゲンガーなのか? 彼女は何を伝えようとしているのか?
御珠市に伝わる隕鉄・鳴神御珠にまつわる伝説が幕を開けるとき、連続通り魔事件とドッペルさんが交錯する。
同人誌「僕の彼女はサイコさん」のダークな電波系小説で同人小説界を沸かせた砂浦俊一の商業デビュー作。ドッペルゲンガーや謎の隕鉄、千年前の妖怪伝説などなどを散りばめた伝奇物です。同人誌のあのノリを期待して読むと、期待外れかも。しかしまあ、サイコさんシリーズを商業誌でやるわけにもいかんでしょうから……。
しっかりとした筆致と構成が新人離れした一作です。