著者: 扇智史
イラストレータ: よしずな
レーベル: ファミ通文庫
江崎和柾は優柔不断な高校生で、クラスの三神枝流と葦倉那菜の二人に惹かれていた。不思議系の三神枝流は、世界を滅ぼす孔の話を和柾に語りかける。それは現実に二人の前に現れ、葦倉那菜が巻込まれ、そしてその穴を塞ぐことを使命とする閉鎖師のユウが現れ、和柾の平穏な日常は崩壊していく。
穴を開けているのは誰か。塞ぐためにはどうするのか。犠牲の生贄が一人を求めた時、最後の決断が和柾に迫られる―
現代伝奇物で高校生が主人公、そしてこの問題のスペシャリストたる閉鎖師が狂言回しとなって、原因も分からないままに事態はどんどん進行、優柔不断な主人公はあっさり巻込まれていきます。最後まで真犯人(?)がわからない中で、最後の最後に突きつけられた選択。
残念ながらあまりハッピーとは言えないエンドですが、伝奇物らしい味わいのある作品です。