著者: 片山奈保子
イラストレータ: 竹岡美穂
レーベル: コバルト文庫
中学二年生の和泉咲夜がお小遣いを貯めに貯めて、ようやく手にしたテディベア。チャイと名付けて、さっそく学校へ持っていって自慢したら、先生に見つかって、チャイは人質に取られてしまう。先生が言うには、四月から一度も登校してきていないクラスメイト、空野月夜もテディベアが好きだという。クマ好き同士の誼で様子を見てきてくれないか、と……。
テディベアにまつわる人間模様を描いた、「お日さまの顔で会おうよ」「花降る野原に君がいた」「空よりも青く染まれ」の三部作。
主人公(?)の年齢が中学生、社会人、高校生とバラバラな上に、特にテーマ性としても共通していなくて、本当に共通項といえばテディベアが小道具として出てくる所くらい。でも傷ついた心を癒すのがいつもテディベアだというところに、作者のテディベア好きが見え隠れします。
「さよなら月の船」が好きだった方にはお薦めです。