著者: 小川一水
イラストレータ: 長澤真
レーベル: ソノラマ文庫
大陸を縦横に走るThousand Mile Express。都市国家エイヴァリーから大陸東域の采陽へ向かうTME・星冠の女王は機関車グロウリー号に引かれて、定刻にエイヴァリーを出発した。それは一見いつも通りの旅立ちに見えたが、その公に知られぬ使命は過酷なものだった。
乗客たちには何も知らせぬまま走し出したTMEは襲撃を受け、そして初めてその厳しい運命が明らかになる。
社会見学として乗り込んだ筈のテオドア・ファルスタットは、数奇な運命から列車の未来に責任を負わされる立場に。同じ市内の学校から選ばれた4人の少年少女を乗せて、列車は大陸をひた走る。
蒸気機関車に牽引される“走る独立国家”となった豪華列車の明日はどっちだ的作品。
エイヴァリーの高い技術力の源である「ドラグストン博士」一派の謎が、列車を包みます。エイヴァリーから持ちだされ、そしてエイヴァリーを陥とした者たちが狙う“ドラグストン・コレクション”とはなにか?
その謎に対面した時、少年少女は都市の未来をかけた選択をします。
国家の誇りとはなんぞや、と色々考えさせられる作品ではありました。