著者: 手島史詞
イラストレータ: 井戸端海二
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
デンドリの村の消失事件から三年。事件のただ一人の生き残り、リッカは呪いを受け、森の魔女として誰からも恐れられ、一人ひっそりと暮らしていた。導かれるようにルチルの街へと流れ着きながら。
そんな生活も、街の唱術士オボロと、その店で働くカノンに助けられたことから、変わっていく。呪いを自覚し、働くことで人と交わり、様々なものをリッカは取り戻していく。
しかしそれは故郷喪失に絡む、封印された記憶をも呼び覚ますことになるのだった。
ギリシャ神話の「パンドラの匣」をモチーフにした、神子の原罪と、強大な力を得てしまったリッカの克服の物語。
ちょっと物語的にばたばたしたところはありますが、上手に〆ています。
しっとりとしたファンタジーが好きな方にお奨め。