著者: 杉原智則
イラストレータ: 玲衣
レーベル: 電撃文庫
人知れず世界の“定義”を守る“結界の民”。その盟主家の一つ、浅生家に生まれた浅生一馬だったが、本人は霊力ゼロ、全くの『能無し』。世界を守るための力“迦具土”も使えず、一族からは冷たい目で見られる毎日。本人はこれまたグレて助平三昧の悪たれ小僧状態。
しかしある日、実は一馬は盟主八咫家の次男であり、次期当主候補であることが明かされたのだから吃驚仰天。
学校に隠された“船”を預かる城主となった浅生一馬だったが、性格の方がそうそう簡単に改善されるわけもなく、権力を得てやりたい放題。しかしその間にも“歪み”は容赦なく襲ってくる。
果たして一馬は世界と仲間と自分の欲望を守ることができるのか――。
杉原“打ち切り”智則の初完結作品となった本作。軽いノリとお色気で読者を引っ張り、駄目男な一馬の踏ん張り、そして意外な敵など、全四巻、なかなか綺麗にまとまりました。
ただし、これといった特色もない作品で、改めて語り継がれるかといわれるとどうかというあたりがなんとも。