著者: 上遠野浩平
イラストレータ: 緒方剛志
レーベル: 電撃文庫
遺物収集を唯一の趣味とする皇帝ローティフェルド(17)は、ただ漫然と日々をすごしていた。ある遺物の封印を解いた時から、彼の人生が激しく動き始めた。
ライトノベルの王道を進む物語です。巨大な力を持つものと、生きる意味を初めて感じた少年。そして、彼に力を貸す人々。非常にテンポ良く話は進み、最後まで一気に読み進む事ができます。
しかしその反面、世界や人物の描写が不足している感があり、彼らに感情移入しにくい点は残念です。3冊程度の分量があれば、より深みが増し面白くなったのではないでしょうか。特にあのお姫様に関してほとんど書かれていないので、行動が唐突過ぎる感があります。
読書中強く感じたのは、何か別のシリーズが前提になっているのではないかという違和感です。少なくとも、この作品だけでは読後に何かパーツが欠けていると感じましたね。