著者: 渡辺まさき
イラストレータ: 山田秀樹
レーベル: HJ文庫
高校の屋上で昼寝中の寺の次男坊佐倉一沙の口の中に、何かが飛び込んで来た。思わず吐き出そうとするも既に手遅れ。その日は園芸部の仕事をこなしていた時に、頭の中に声が響いた。幻聴の主は藤谷伊吹と名乗り、別世界からこの世界へ飛ばされてきて、その拍子に体を精神が別れてしまったのだと。急いで体を探したい伊吹に一沙は協力することになって、この世界の秘められた部分に触れていくことに……。
渡辺まさきの現代ファンタジーで、あの独特のゆったり感は今も健在。
ただ、ややストーリーを詰め込み過ぎた嫌いがあって、普通なら三巻くらいいけそうなネタを初巻で注ぎ込んでしまっている。巻を分けるべきだったんじゃないかなぁと他人事ながら。
黄昏系ファンタジーがお好みの方にお奨め。
全2巻完結。