著者: 小川一水
イラストレータ: 撫荒武吉
レーベル: ハヤカワ文庫
西暦248年、ヤマトの地。邪馬台国の女王卑弥呼を襲った謎の物の怪を忽然と現れ退治したのは“使いの王”。サポートの知性体・カッティと共に、彼らは遠い時の彼方から、時間を遡航しながら、人類の仇敵・ETと戦い続けてきたのだった。26世紀に生まれ、幾度も戦い、幾度も破れ、その度に時を遡った男の、448度目の戦いが今始まった。
小川一水の放つタイムトラベルもの。26世紀の世界で得たものを頼りに幾万の年月を戦い続ける男と、今の彼を知りたいと願う女の、長くも短い戦いのストーリー。最後に卑弥呼がカッティに向かって叫ぶ啖呵こそが、人類を勝利ならしめた鍵だというのが、爽快であり、また悲しくもあります。