著者: 米澤穂信
イラストレータ: 片山若子
レーベル: 創元推理文庫
船戸高校に入学した小鳩常悟郎には、同志小山内ゆきと共に目指すものがあった。
小市民。
目立たず、笑顔で、でしゃばらず。平穏な高校生活を二人は協力して送る計画だった。
しかし小学校当時の小鳩を知る堂島健吾が、小鳩に事件を持ってくる。そして事件を目の前にしてしまうと、つい、どうしても、その卓拔たる推理力を発揮してしまう小鳩くん。
事件が終われば反省しきりだが、しかしまた問題は彼の前に転がってくるのでありました……。
「目指せ小市民」を合言葉にしているこの二人ですが、そのくらいで小市民になれたら世話ないわな、というくらい本性が体に染み付いていて、結局なんだかんだ言って首を突っ込んでしまう辺りが微笑ましいです。
本格とはいえ、人が死なないミステリで、事件の内容も他愛もないものばかり。面白いけどこれだけだと……なんて思っていたら、最後の最後に一山あって、作者の力を思い知らされます。
ぜひシリーズ化して欲しい。
シリーズ化されました