著者: 萬屋直人
イラストレータ: 方密
レーベル: 電撃文庫
存在が失われ消滅していく「喪失症」に罹り、緩慢に滅亡に向かっている世界。
名前を失った少年と少女は、スーパーカブに乗って北の大地を疾走してた。行く先々で喪われつつある人たちと出会い、語らい、そして別れる。明日をも知れない世界の中で、緩やかに生きる青春ストーリー。
アムネジアものなんですが、悲壮感はなくて、ただ何となく、それでいて抗いがたい衝動に任せて少年少女は旅を続けます。いつ終わりが来るとも知れない旅ですが、二人は徹底的に前向きで、恐らくは意図的に楽天的に、前へ進みます。