著者: 十月ユウ
イラストレータ: 藤丘ようこ
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
本好きという以外に、さしたる特徴もないドジっ子楠本綴は、私立永命学園高校入学早々に、図書部長の月詠読破と出会う。マナーの悪い図書館利用者に容赦無く鉄槌を下す学園最強の男には、図書館の主という以外にもう一つ、この世に存在してはいけない「戒書」を回収し、異界図書館に封印する“異界司書”という顔があった。
おりしも学園で謎の噴水破壊事件と、守衛殺害事件が発生。読破はこれを戒書の事件と見て調査を開始する。そこに、図書部に新たに入った綴が闖入してしまう――。
意外といっては失礼にあたるかもしれないが、現代学園伝奇として普通に面白い作品。特に本好きの図書館利用者であれば、読破の行動にシンパシーを覚える人もいるのではないだろうか。本を粗雑に扱う輩には死を!(違う)
ともあれ、“最初の事件”は幕を下ろしましたが、続刊が楽しみな一冊です。果たして副部長・樹睦美の想いは届くのか、心配です(笑)。