著者: 真嶋磨言
イラストレータ: 珈琲
レーベル: 電撃文庫
中学一年生13歳の小田切正機は自分のことをアンドロイドだと思い込んでいる男の子。今日も「お前が本当にアンドロイドだっていうんなら、そこのベランダから飛び降りてみろよ」とからかわれて本当にジャンプ。幸い軽傷だったけど本人は故障しただけだと言っている。
たった一人の肉親の死をきっかけに、アンドロイドになってしまった小田切少年を悲しく見守る桜野茜は、唐突に正機をデートに誘い出す。電波塔の展望台で記念撮影をする二人は、少年犯罪グループ、ネオ・ノイドのテロに巻込まれてしまい――。
自称アンドロイドの少年と、心に色々なものを抱えている少年少女の交友を描いた短編集。
心がぶっ壊れちゃった少年と、それを見守る女の子。男の子に女の子は「君は正真正銘、人間なんだよ」なんて呼び掛けてたりするわけですが、その女の子の方こそ――とかいうギミックが素敵です。ただ、できればネオ・ノイドなんか出さずに毎回人間との交錯だけで物語を紡いでくれた方が良かったのでは、と思いました。実際、ネオ・ノイドとは無関係の話もあるわけで。
でもこの話、正機くんの心が元に戻ってもハッピーエンドにはならないんじゃないかといまいち不安。