著者: 鳥生浩司
イラストレータ: 石田あきら
レーベル: 電撃文庫
かつて遠い西から日本へと流れついた三支族、ガド、アシェル、レビ。先住民を征服しようとしたガドに対し、アシェルが対立、優しきレビは無力だった。かくしてガドはアシェルに滅ぼされ、しかしガドは未来に復讐の種を撒き、アシェルはガドの復活に備え、そしてレビは破滅を防がんとした。
時は現代。
何も知らずに平凡に生きてきた降旗洸はアシェルの直系として「聖骨」を身に宿していた。それはガドの復活する“怒りの日”を收める切り札でもあった。何も知らないまま、事態だけが進行していき、洸は次々と大切なものを失っていく。
あっさり言っちゃえば「詰め込み過ぎ」です。決して面白くないわけでもつまらないわけでもないのですが、なにせ詰め込み過ぎです。これだけのネタをぶち込むなら、三巻くらいのボリュームが必要でしょう。結果的に物語は端折り気味になり、間が足りなくなります。ジェットコースターのように話が転変していくのですが、緩急に乏しいので、読者が置いてけぼりになるだけなく、登場人物たちの心の動きも充分に描けていません。
今後の成長に期待が持たれます。
作者の趣味なのか、やたらに(家族愛を超えた感情を有する)兄妹が登場します。