著者: 飛田甲
イラストレータ: ゆうろ
レーベル: ファミ通文庫
科学の人を自認する真田真也は、オカルト大好きな民俗研の部長・河原崎に強引に誘われて、幽霊が出るという廃病院の探索に同行することに。乗り気でなかった真也だが、その廃病院で女の子の幽霊と遭遇してしまう。その幽霊はなぜか真也にしか見えず、声も聞こえないらしい。
最初は自分を疑った真也だが、持ち前の分析力で彼女の実在を確信すると、今度は幽霊の調査解析に乗り出してしまう。一体なぜ自分が幽霊になったかもわからないという少女の調査を続けるうちに、真也は生きている彼女にまつわるトラブルに巻込まれていく。
幽霊だと思っていた少女が実は生霊という話になり、そして最後は――というタイムパラドックスを絡めた推理ものに仕上がっている作品です。主人公の真也の徹底した実証主義者ぶりは、「そんな高校生いねーよ!」と言いたくなるところがないでもないのですが、ボーイ・ミーツ・ガールに関しての初々しさに免じて許しましょう。