著者: 赤城毅
イラストレータ: 鈴木雅久
時は大正14年。大震災の痛手からも立ち直った帝都東京で、私立探偵を営む一人の男がいた。洋行帰りの彼の名は、木暮十三郎。アメリカではピンカートン探偵社にも勤めた敏腕探偵だったが、どうも浪費癖が激しく、今日も事務所は火の車。渡りに船で飛びついた依頼は、どうにも常識では計れない事件ばかり。助手の渡、秘書の森南礼乃と共に怪奇事件に立ち向かう青年探偵の冒険譚!
ゴールデンエイジの東京を舞台に怪物小説が展開されるシリーズ。1998年スタートと息が長い反面、途中出版社の交代もあり、ファンとしては追いかけるのが大変なシリーズでもある。
他のあのシリーズとの交錯もあり、赤城ファンにはにやりとさせられる向きもあるが、純粋に昭和の怪奇幻想探偵小説として楽しめる一作。