著者: 山川進
イラストレータ: よし☆ヲ
レーベル: ガガガ文庫
放送芸術特区『歌劇市』。そこは映画・TV振興のために作られた特別な市である。この市では、映画やドラマのロケを行うのに、特別な許可を必要としない。そして、その中心にあるのが、日本一のタレント養成校『歌劇学園』だった。生徒のほとんどがタレント志望であるが、12.5倍という高い倍率を勝ち抜いて入学を果たした今年の新入生の中に、なぜかなんとなく受験したらなんとなく合格してしまったという主人公、会澤拓海がいた。彼の家にはTVが無いため、この学園のことをよく知らないまま受験し、受かってしまったのである。
とまあ設定が少々特殊ですが、内容は正統的なボーイ・ミーツ・ガールの恋愛ものです。起伏のあるストーリー展開で、ヒロインの挫折と復活、主人公がこの学園に合格した真相などを絡め、ラストに向けて大いに盛り上がります。タレント養成校だけあって、登場するサブキャラクターは一癖も二癖もあるメンツばかり。まあ癖のある登場人物が多すぎるきらいもあって、それぞれがストーリーに絡んだ意味のある活躍をしているとはいえないのですが、少なくとも読んでいて退屈させないことは確かです。