著者: 小林めぐみ
イラストレータ: 帝国少年
レーベル: ハヤカワ文庫JA
環境汚染が深刻化し、地球から人類が脱出した未来。避難船ダナルーは不時着した惑星で、歪な社会を築き上げていた。男女比9:1のダナルーでは、女子に選ばれなかった男子は、16歳で地球への回帰船へと乗り組むことになる。
その時を間近に控えた少年アツは、ある日激しい感情を持て余している少女と出会う。彼女を挟んで物静か(だと思っていた)クラスメイトのライカと知己を得、好奇心のままに三人はダナルーの秘密へと近づいていく……。
少年少女のボーイ・ミーツ・ガールを軸に、ダナルーを巡る謎の周囲をぐるぐると回る大人を配し、最後に大きな種明かしが待っているSF作品です。幕の引き方に些か不安なものを感じさせますが。
小林めぐみの描く“周囲を振り回す少女”はここでも健在。そして少年達の健やかな成長が綺麗に描かれています。