著者: 九条菜月
イラストレータ: 伊藤明十
レーベル: C★NOVELS Fantasia
1900年、ドイツ帝国首都、ベルリン。特殊な探偵事務所として知られるオルデンベルク探偵事務所所属の探偵ジークベルト・スミスは長らくの調査行から戻って休暇を楽しむはずが、新たな依頼を押し付けられる。人外の者達の保護を専らとするオルデンベルク探偵事務所に保護された、人狼の少年の教育だった。そしてジークもまた、人ならぬ存在だった……。
新たな依頼の最中に事件が起こり、休暇は棚上げされ、子育て中のジークも事件に駆り出されることに……。
やや全体にばらつき感があるものの、デビュー作としては良くできているとすべきでしょうか。
進展する人類の科学文明の前に、住処を無くし、行き場を無くし、そして人と交わって生きることを選択した人外の者たち。しかし人類はその共存する者たちをも歯牙にかけようとしている……。
その後の時代の流れを考えると、色々思わせるところのある作品でしたが、作品の面白さに繋がっていないところが難点。