著者: 青木祐子
イラストレータ: あき
レーベル: コバルト文庫
19世紀イギリス。ロンドンに程近いリーフスタウンヒルにある仕立て屋「薔薇色」のオーナー、クリスティン・パレスが仕立てるドレスは“恋をかなえるドレス”との評判。そんな評判を聞きつけて、公爵令息シャーロック・ハクニールが持ち込んだのが、落馬事故で立てなくなった妹・フローレンスのドレスの仕立てだった。
クリスの冴えない容姿に驚きつつも、心の形を読むのだという彼女に、妹のドレスを頼むシャーロック。フローレンスの採寸のために出向いたクリスは、彼女の周囲に不穏な空気を感じ取る……。
“恋をかなえるドレス”を作っているのは冴えない容姿の女の子で、しかも自分の恋心が掴めないと苦しんでいたり、ドレスを作られる相手もそれなりに悩んだり苦しんだりしているのは良いのですが、しかし「闇のドレス」はちょっと……という気がしました。安易というか安直というか……。
そんなものがなくても充分読める作品だったのに、と思わずにはいられませんでした。